脳科学と心理学の違いはどこにあるのでしょうか?
近年、脳科学が注目を浴びていますがではそもそも脳科学とは何でしょうか?
脳科学とは?
脳科学( brain science)とは、人を含む動物の脳と、それが生み出す機能について研究する学問分野です。
対象とする脳機能としては視覚認知、聴覚認知など感覚入力の処理に関するもの、記憶、学習、予測、思考、言語、問題解決など高次認知機能と呼ばれるもの、情動に関するものなどである。
とされています。
脳は例えば、心臓の動き、呼吸、消化、など生命を維持する機能は勿論、五感覚・感情入力処理・運動制御・記憶・学習・予測・思考・言語などを全て司っています。
その為、脳は私たちが生きていくのに必要不可欠な器官であることは多くの方がご存知かと思います。
心理学とは?
心理学( psychology)は、心と行動の学問であり、科学的な手法によって研究される。
そのアプローチとしては、行動主義のように行動や認知を客観的に観察しようとするものと、一方で、主観的な内面的な経験を理論的な基礎におくものとがある。
研究法を質的研究と量的研究とに大別した場合、後者を主に学ぶ大学では、理数系として心理学を位置付けている。
起源は哲学をルーツに置かれるが、近代の心理学としては、ドイツのヴィルヘルム・マクシミリアン・ヴントが「実験心理学の父」と呼ばれ、アメリカのウィリアム・ジェームズも「心理学の父」と呼ばれることもある。
心理学の主な流れは、実験心理学の創設、精神分析学、行動主義心理学、人間性心理学、認知心理学、社会心理学、発達心理学である。また差異心理学は人格や知能、性などを統計的に研究する。
20世紀初頭には、無意識と幼児期の発達に関心を向けた精神分析学、学習理論をもとに行動へと関心を向けた行動主義心理学とが大きな勢力であったが、1950年代には行動主義は批判され認知革命がおこり、21世紀初頭において、認知的な心的過程に関心を向けた認知心理学が支配的な位置を占める。
現在の心理学の停滞は、『心』という働きと、『神経』という物質的構造を混同した、ドイツのウィルヘルム・ヴントに端を発しているとも言われている。
このことが、心理学を複雑化させ停滞させている主な要因だとの見解も存在する。
とされています。
脳科学と心理学の違いは?
では、脳科学と心理学の違いは何だろう?という疑問を持つことがあるのではないでしょうか?
脳科学は比較対象とされる心理学つまり「心」ではなく「脳や神経」を研究対象としています。
そのため、具体的に分かりやすい物質=神経伝達物質(脳ホルモン)を研究対象としているのです。
「人間の行動を引き起こすのには、それらの物質が関連している」ということです。
つまり、行動を引き起こすのには、脳の電位変化や神経伝達物質やホルモンの移動があると考えられています。
大きく分けると脳科学と心理学の違いは、「行動を引き起こさせる原因である心」でみるのか「行動を引き起こさせる原因を脳でみるのか」の違いといえます。
その為、脳科学と心理学とでは考え方がそもそも異なる点があります。